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CT
CTについて
コンピュータ断層撮影(CT)は、X線を利用して体内の断面画像を撮影する検査法です。複数の角度から取得したX線データをコンピュータで解析・再構成することで、高精細な立体画像を生成します。この方法は、膵臓の構造や病気の状態を詳しく調べることができる、体に優しい検査です。
膵臓は体の奥深くに位置し、周囲を他の臓器や構造物に囲まれているため、超音波検査では観察が困難な場合があります。このため、膵臓の病気を診断するためにCTは非常に重要な役割を果たしています。CT検査は通常10-30分程度の時間がかかります。また、検査で造影剤を使用する場合は事前に食事制限や服薬の調整が必要になることがあります。また、腎臓の機能やアレルギー歴によっては造影剤が使用できないこともあるため、事前に確認が必要です。CT検査ではX線を使用しますが、通常の検査であれば人体への影響は最小限に抑えられています。
CTは膵炎などの炎症性疾患に関しては、診断のみならず病気の進行具合(重症度)を確認するのにも役立ちます。また、膵がんが疑われる場合の精密検査としてもCTが第一選択となることが多く、特に造影剤を用いて複数回撮影を行うダイナミックCTと呼ばれる検査が行われます。CTは核磁気共鳴検査(MRI)と比べて広い範囲を一度に撮影することが可能なため、膵がんそのものの診断のみならず、リンパ節への転移や、肝臓や肺など他の臓器への転移に関しても同時に評価することができます。
ただし、小さな膵がんはCTではしばしば見逃されることがあります。膵がんの早期発見は難しい場合が多いですが、膵がんの間接所見(膵管の拡張や膵臓の萎縮など)をCTにて捉えることで、より診断性能の高い検査(例えば超音波内視鏡検査など)に繋げることが可能です。
Q1膵臓のCT検査を受ける前に特別な準備は必要ですか?
膵臓のCT検査を受ける前には、いくつかの準備が必要です。まず、検査前に数時間の絶食が求められます。これにより、CTの画像がより鮮明になり、膵臓や周囲の組織が正確に描出されます。ただし、絶食の時間は医師や施設の指示によって異なる場合があります。
また、CT検査では造影剤を使用することが一般的です。造影剤を注射することにより、膵臓や血管の状態をより詳しく見ることができます。造影剤を使用する前に、喘息などのアレルギー性疾患や過去に造影剤使用で何らかの問題があった場合は、必ず医師に伝えることが大切です。加えて、腎臓の機能に関しても確認が必要となります。
さらに、一部の糖尿病治療薬は造影剤使用に際して休薬が必要となるため、ご自身の内服薬に関して事前に確認しておくことが重要です。
Q2CTで小さな膵がんの診断が難しいのはなぜですか?
CTで小さな膵がんの診断が難しい理由はいくつかあります。まず、膵臓自体が非常に深い場所にあり、周囲の臓器と密に接しているため、がんが小さいうちは周囲の組織と区別しにくいことがあります。また、膵がんは初期の段階では明確な腫瘍が見えにくいことが多く、CTでは十分に目立たず正常の膵臓組織と誤認されることもあります。
膵がんが進行して腫瘍が大きくなると、CTでよりはっきりと確認できるようになりますが、早期発見には他の検査方法(例えば、超音波やMRIなど)と組み合わせることが有効です。